美術鑑賞
美術館巡り
芸術の秋。
“天高く” とはいかないどんよりとした土曜日、東京へ行ってきた。
かみさんは火曜日に歌舞伎を観に行ってきたので、今回はひとり。
品川~恵比須~六本木を経て国立新美術館(タイトル画像)へ。
まずは「ダリ展」を鑑賞。

ダリ「ポルト・リガトの聖母」
私は中学生の頃に初めてダリの作品を見て、強烈な印象を受けた。ぐにゃぐにゃの時計や長い脚の象、元素化したマリアなど、無意識下入り込んで来るような絵は、私の人格形成にも影響を与えたように思う。
この「ダリ展」は10年ぶりの大回顧展で、初期から晩年に至るまで250点もの作品が展示されている。
私が一番印象に残った作品は上の「ポルト・リガトの聖母」。
ラファエロの聖母子像をモチーフにしていると思われる。
松屋の牛丼で昼食の後、上野へ。

ゴッホ「収穫」
東京都美術館で「ゴッホとゴーギャン展」を鑑賞。
ゴッホはレンブラントと並び私が最も愛する画家。
上掲の「収穫」ほか「ゴーギャンの椅子」「ジョセフ・ルーランの肖像」など世界に知られた名画を多数展示。
ゴーギャンも「タヒチの3人」「アルルの洗濯女」「紡ぐブルターニュの少女」など傑作揃いだった。
続いては国立西洋美術館。
日本で初めて開催される「クラーナハ展」を鑑賞。
建物が世界遺産に登録されて、今回も多くの人が入館していたが、この企画展は割と楽に見ることが出来た。
クラーナハはデューラーと並ぶドイツ・ルネサンスの大物だが、日本では若干マイナーな画家だ。
看板の絵は「ホロフェルネスの首を持つユディット」。下部分がトリミングされて見えないが作品は切断された首の断面がリアルだ。

クラーナハも中学生の頃から知っていたが、好きではなかった。
当時はルノワールのような豊満で煌びやかな裸婦が好みだった。
クラーナハの裸婦はルノワールのそれとは対極を成す。青白く貧弱な身体に、妙に大人びた表情。このアンバランスな感覚に魅力を感じる。
上野の森美術館の「デトロイト美術館展」も気になったが、一度に沢山の絵画展を観ても印象が散漫になるし、小遣いも厳しいので、静岡へ帰ることにした。